COLUMN

備瀬のフクギ並木

fukugi
先日…、
と書き始めると、
いつも
いつの事だったのか
思い返さないまま
話しを進め歩いてしまう。


かと、言って
いつのことだったのか重要な事以外は
無理に思い出さずとも
やはり、「先日…」ぐらいの、
のんびり感が
とても心地よい。
それで…
先日、のんびりと
前から行ってみたかった
備瀬のフクギ並木を見に行った。
フクギの整列した一本道があるのかと
想像して疑わなかった、けれど
そうではなく、そこにはフクギ並木が
碁盤の目の状態で小道という小道、
部落内を覆い尽くしていた。
小道から小道へ、
森の小道をくぐり抜ける白ウサギみたいな気持ちで
早足で歩き続けると
不思議な国に迷い込んでしまった、かのような
懐かしい香りが鼻の奥でツーンとした。
何時間ぐらい歩き続けたのかも
わからないほど
時計の針も腕の中で
ぐるぐると迷い込んでいる。
と、いうよりは
時計を見ようという気分が
起こらなかった。
それから
しばらく
歩き続け
たどり着いた海岸で見た
夕陽だけが
「あ、もう夕方なんだ」と
我に返させてくれた。
fukugi02
自然のちからは
いつも感動と、やる気とを与え、
時間を忘れさせたり、時を知らせてくれたりもする。
「先日…」がいつだったのか、忘れ始めたら
またフクギ並木を見に行こう。
森の迷路を歩きながら
いろいろぼんやり考えてみるのも
いいのかもしれない、なと
次の楽しみを見つけてワクワクした。



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