COLUMN

「ばあちゃん」すこし続編

ba-chan2
沖縄タイムス8 「ばあちゃん」
反響に自分自身おどろいた。
メール送ってくださった皆さん
お手紙くださいました方々
電話いただいた方
心より感謝。

そして、「ばあちゃん」 と 「最後だとわかっていたなら」 を
重ねてみる・・・
「最後だとわかっていたなら」
「ばあちゃん」 に
何を伝えていたのだろう・・・
その答えは・・・
沖縄タイムスに 「ばあちゃん」 が掲載された日の晩。
久しぶりに実家へ寄ってみた。
「あいぃ、いらっしゃ~い」
母親の言葉に頷きながら
「ただいま」 と軽めに手をあげた。
なにも話さず、
ダイニングテーブルの椅子に腰掛け、
最初は居場所を探すみたいに、
そわそわ、したりして
その辺にある雑誌を手に取ってみたり、
あるはずもないのに郵便物の中に自分の名前を探してみたり、
テーブルの上のお菓子をつまんで 「これ美味しいね何処の?」
と、聞く気もない質問してみたりして、そわそわ。
しばらく、沈黙が続いたあと。
母親が隣の部屋で洗濯物を畳みながら言った。
「ばあちゃん、きっと喜んでいるよ」
「は?なに?なんて言ったの?」
聞こえてない訳でもないのにもう一度、訊いた。
「あのひと、きっと喜んでいるよ、あなたのばあちゃん」
少しだけ待って 「ああ、うん」、とだけ答えた。
ほんとうは泣きそうなほど、嬉しかった。
少し待たなかったら、きっと泣いていただろう。
「最後だとわかっていたなら」
「ばあちゃん」 に
その答えは・・・
母親が教えてくれた。
きっと、
伝わっている。
やっぱり、
たくさんの
感謝の気持ち。
「ばあちゃん」 にとって
どんな孫だったのか、だけ
いつの日か聞けたらなぁ、
な~んて思いながら、
身体に詰まっていた気持ちを
両手広げて溜息まじりに吐いてみた。
きっと伝わっている。



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